前回の記事の時期、すなわち1840年代から1860年代の英国の繊維製品の輸入先を調べました。 The Cotton Trade of Great Britainから、中村靖志(1978)が引用しているものです。 英国の綿花輸入先(1836-1870)(単位%) 1836-1840平均 1836-1840平均 1836-1…
(資本論第1巻ディーツ版MEW23巻440頁)〔前略〕他方では、1848年から現代までの時代すなわち10時間労働日の時代のイギリス工業の激しい前進が、1833年から1847年までの時代すなわち12時間労働日の時代を凌駕していることは、後者が工場制度の開始以来の半世…
(ディーツ版12巻456-458頁)〔前略〕さらに、1858年の第1・四半期全体の報告を3月分の報告とくらべてみると、合衆国向けのイギリスの輸出貿易には、回復の傾向が見いだされる。すなわち、毛織物では、1857年3月と1858年3月とでは、〔輸出額は〕 6万6617ポン…
労働手段とは、労働者によって彼と労働対象とのあいだに入れられてこの対象への彼の働きかけの導体として彼のために役だつ物またはいろいろな物の複合体である。労働者はいろいろな物の機械的、物理的、化学的な性質を利用して、それらのものを、彼の目的に…
(Ⅰ470)綿、羊毛、毛糸、亜麻、大麻、絹、黄麻工場、および機械靴下編業や機械レース製造業の全従業者(岡崎次郎訳、太字強調はブログ主による) 綿、羊毛、亜麻、大麻、絹、黄麻(こうま・おうま)は素材の名前で、毛糸のみ製品(あるいは半製品)なので、…
(I 93)〔前略〕本来の商業民族は、エピクロスの神々のように、またはポーランド社会の気孔のなかのユダヤ人のように、ただ古代社会のあいだの空所に存在するだけである。〔後略〕 今回、すべて岡崎次郎訳です。(Ⅰ93)は第1巻のディーツ版93頁を表します…
(ディーツ版734-735頁)農業革命の第一幕は、作業農地にあった小屋を、最大の規模で、また上から下された合図にでも従うかのように、一掃してしまうことだった。こうして、多くの労働者は村落や都市に避難所を求めるよりほかはなくなった。 そこでは彼らは…
さきに考察した経済的諸範疇もまた、それらの歴史的な痕跡を帯びている。生産物の商品としての定在のうちには一定の歴史的な諸条件が包み込まれている。商品になるためには、その生産物は、生産者自身の直接的生活手段として生産されてはならない。われわれ…
「労働日」の考察などでおりに触れて示したように、労働者はしばしば自分の個人的消費を生産過程の単なる付随事にすることを強制されている。このような場合には、彼は自分の労働力を働かせておくために自分に生活手段をあてがうのであって、ちょうど、蒸気…
『資本論』第1巻第4章で、「貨幣として支出する」の意味がわかりにくい箇所があります。ディーツ版166頁です。紙屋研究所さんの 「二つの『資本論』の訳本を読んでときどき感じる当惑について」(2022.2.12.)で取り上げられています。この箇所は特に難し…
『資本論』第1巻第4章で、ロッシの説にマルクスは賛成なのか反対なのかわかりにくい箇所があります。ディーツ版187頁です。紙屋研究所さんの 「『資本論』にでてくるabstraction」(2021.12.24.)、「『資本論』にでてくるabstraction(続き)」(2021.12.…
資本論 岡崎次郎訳 を読んでいて。 「商品に転化される人間の血と汗とのこの安さこそは、絶えず販売市場を拡大したし、また毎日拡大しつつあるのである。」(ディーツ版495頁) という印象的な表現の出てくる段落です。 同じ段落の少し前に「大量の労働材料…
「ボタンまでかけた上着の現身(うつしみ)にもかかわらず、リンネルは上着のうちに同族の美しい価値魂を見たのである。」(ディーツ版66頁、岡崎次郎訳。) 66頁から、97頁、100頁と、少しずつ間をおいて、似たような内容が出てきます。 だが、先まわりする…
資本家は労働力をその日価値で買った。 一労働日のあいだの労働力の使用価値は彼のものである。つまり、彼は、労働者を一日のあいだ自分のために働かせる権利を得たのである。 だが、一労働日とはなにか? とにかく、自然の一生活日よりは短い。 どれだけ短…
商品に内在する使用価値と価値との対立、私的労働が同時に直接に社会的な労働として現われなければならないという対立、特殊な具体的労働が同時にただ抽象的一般的な労働としてのみ認められるという対立、物の人化と人の物化という対立、---この内在的矛盾は…
商品は、一見、自明な平凡なものに見える。商品の分析は、商品とは非常にへんてこなもので形而上学的な小理屈と神学的な小言でいっぱいなものであることを示す。商品が使用価値であるかぎりでは、その諸属性によって人々の諸欲望を満足させるものだという観…
米国から英国への綿花、穀類輸出(ディーツ版資本論第1巻475頁) 表 米国から英国への綿花輸出推移(1846-1860) (単位はトンに換算しました。) 綿花(トン)1846 1823211852 3472841859 4362231860 506159 表 米国から英国への穀類輸出 単位はトンに換算…
上着の生産では、実際に、裁縫という形態で、人間の労働力が支出された。だから、上着のなかには人間労働が積もっている。この面から見れば、上着は「価値の担い手」である。といっても、このような上着の属性そのものは、上着のどんなにすり切れたところか…
われわれは、どんなに過度労働がロンドンの製パン工をかたづけてしまうかを聞いたが、それでもなお、ロンドンの労働市場はドイツ人や他の命がけの製パン業志願者であふれているのである。 (岡崎次郎訳) 英国にドイツからの(また他の地域からの)移民が多く…
労働力の所有者は、今日の労働を終わったならば、明日も力や健康の同じ条件のもとで同じ過程を繰り返すことができなければならない。だから、生活手段の総額は、労働する個人をその正常な生活状態にある労働する個人として維持するのに足りるものでなければ…
食物や衣服や採暖や住居などの自然的な欲望そのものは、一国の気象その他の自然的な特色によって違っている。他方、いわゆる必要欲望の範囲もその充足の仕方もそれ自身が一つの歴史的な産物であり、したがって、だいたいにおいて一国の文化段階によって定ま…
これらの室の一つには8人が寝ているが、その室は奥行12フィート10インチ、間口12フィート2インチ、高さ6フィート9インチだった。平均容積は室内に出張った部分も含めて一人当たり約130立方フィートだった。 (岡崎次郎訳) 検算してみます。 1フィート=0.…
このような事情のもとでは、プロレタリアートのこの部分の絶対的増大は、その構成要素が急速に消耗するにもかかわらずその数を膨張させるという形態を必要とする。つまり、労働者世代の急速な交替である。 (この法則は人口のうちの他の諸階級にはあてはまら…
とはいえ、親の権力の乱用が資本による未熟な労働力の直接間接の搾取をつくりだしたのではなく、むしろ逆に、資本主義的搾取様式が親の権力を、それに対応する経済的基礎を廃棄することによって、一つの乱用にしてきたのである。 (岡崎次郎訳) この箇所は…
だから、貨幣が資本に転化するためには、貨幣所有者は商品市場で自由な労働者に出会わなければならない。自由というのは、二重の意味でそうなのであって、自由な人として自分の労働力を自分の商品として処分できるという意味と、他方では、労働力のほかには…
週に1万重量ポンド糸を作る紡績工場の例です。計算問題です。 注意すべき点は、 ・ポンドが、重量のポンドと通貨のポンドとあること ・通貨が、12ペンスが1シリング、20シリングが1ポンドであること ・分数が用いられていること です。 まぎらわしいので、ポ…
決定的に革命的な機械、すなわち、婦人服製造、裁縫、靴製造、縫い物、帽子製造、等々のようなこの生産部面の無数の部門をすべて一様にとらえる機械、------それはミシンである。 (岡崎次郎訳) Die entscheidend revolutionäre Maschine, welche die sämtl…
決定的に革命的な機械、すなわち、婦人服製造、裁縫、靴製造、縫い物、帽子製造、等々のようなこの生産部面の無数の部門をすべて一様にとらえる機械、------それはミシンである。 (岡崎次郎訳) Die entscheidend revolutionäre Maschine, welche die sämtl…
労働手段とは、労働者によって彼と労働対象とのあいだに入れられてこの対象への彼の働きかけの導体として彼のために役立つ物またはいろいろな物の複合体である。労働者は、いろいろな物の機械的、物理的、化学的な性質を利用して、それらのものを、彼の目的…
それだからこそ、私は自分があの偉大な思想家の弟子であることを率直に認め、また価値論に関する章のあちこちでは彼に特有な表現様式に媚(こび)を呈しさえしたのである。 (岡崎次郎訳) 今回検討した資本論の文の、特に注目した箇所の原文は次の通り。 … …