米国から英国への綿花、穀類輸出(ディーツ版資本論第1巻475頁)
表 米国から英国への綿花輸出推移(1846-1860)
(単位はトンに換算しました。)
綿花(トン)
1846 182321
1852 347284
1859 436223
1860 506159
表 米国から英国への穀類輸出
単位はトンに換算しました。(1ハンドレッドウェイトは50.8kgとして。)
(単位 トン)
1850 1862
小麦 823077 2084502
玉蜀黍 278037 594097
小麦粉 194028 366121
大麦 186418 336540
燕麦 161280 224891
豆類 92607 103487
豌豆 41230 52056
裸麦 19748 994
ビーアまたはビッグ 104 390
蕎麦 54 361
表 1850年から1862年の伸び率(倍)
小麦 2.53
玉蜀黍 2.14
小麦粉 1.87
大麦 1.81
燕麦 18.6
豆類 1.12
豌豆 1.26
裸麦 0.02
ビーアまたはビッグ 3.76
蕎麦 18.6
[註]ビーアまたはビッグ :大麦の一種、ということまでしかわからず。
豆類は、豌豆を除いた豆類である。豌豆が豆類全体の3割も占めている。
[読み]
玉蜀黍 とうもろこし
燕麦 えんばく 別名オーツ麦
豌豆 えんどう
裸麦 はだかむぎ
蕎麦 そば
[問題点] 統計数字の出所が示されていない。(なぜ?)
課題としては当時の米国での綿花生産量を確認したい。世界での綿花生産量の総量は、推定の数字でよいので探したい。綿花を輸入して英国内で糸・布にして消費する分、また英国内で糸にして輸出する分、英国内で布にして輸出する分、を確認したい。
と思って検索すると植田真弘(1983)が棉花輸入量の統計数値を示してくれています(文献1の表1)。そこから計算しました。棉花(綿花)輸入の数値は、トンに換算しました。米国内での綿花生産量のうち英国へ輸出される分はどれくらいか、はみつかりませんでした。下記の通り、英国の棉花輸入量のうち、米国からの輸入の占める割合は高いです。
表 イギリス綿工業の諸指標 (文献1の表1から抜粋したもの) (単位千トン)
棉花輸入 綿糸布生産 綿糸布輸出 国内消費 国内消費の割合(%)
1859 540.2 398.7 322.2 76.5 19.2
1860 651.3 295.4 343.5 98.9 22.4
表 英国の綿花輸入量のうち米国からの輸入の占める割合
(文献1の表1の数値と資本論の数値とから作成したもの。)(単位 千トン)
うち米国からの 米国からの輸入の
棉花輸入 輸入分 占める割合(%)
1859 540.2 436.2 80.8
1860 651.3 506.2 77.7
英国産の綿製品の市場につき「1860年のトルコ向け綿製品輸出額は、インド、アメリカに次いで第3位であり、綿製品輸出総量の6.3%を占めていた。」(文献1の注14)
トルコは、当時、オスマン帝国でした。
[註]
1856-1858 第二次アヘン戦争(1858天津条約)
1857-1858 インド大反乱(かつてセポイの乱とよばれた)
1861-1865 米国の南北戦争