うとうととして

古典を少しずつ読みます。

2023-01-01から1年間の記事一覧

機械はまた、(・・・)労働者と資本家とのあいだの契約をも根底から変革する。(資本論第1巻ディーツ版417-419頁)

機械はまた、資本関係の形式的な媒介、すなわち労働者と資本家とのあいだの契約をも根底から変革する。商品交換の基礎の上では、資本家と労働者とが自由な人〔Person〕として、独立な商品所持者として、一方が貨幣と生産手段との所持者であり、他方は労働力…

工場法 (1864 年) は、(・・・)その〔毒のある〕蒸気が労働者に届かないような「浸し機」の使用を強制した。(資本論第1巻ディーツ版500頁。岡崎次郎訳。)

マッチ製造業は、1833年、燐を直接に軸木につけることの発明に始まる。それは1845年以来、イングランドで急速に発達し、ロンドンの人口稠密な地区、ことにまたマンチェスター、バーミンガム、リヴァプール、ブリストル、ノリジ、ニューカスル、グラスゴーに…

衛生警察とは?(『資本論 第1巻』各所)

衛生警察とは?(『資本論 第1巻』各所) 『資本論』に衛生警察ということばが出てきます。 どういう権限があるのか中央政府直属なのか地方自治体ごとなのか、正体がわかりません。 (以下、特に断らない限り、亀甲括弧〔 〕内はブログ主による。また、太字…

この、単純な流通または商品交換の部面から(『資本論 第1巻』ディーツ版190-191頁)

この、単純な流通または商品交換の部面から(『資本論 第1巻』ディーツ版190-191頁) この、単純な流通または商品交換の部面から、卑俗な自由貿易論者は彼の見解や概念を取ってくるのであり、資本と賃労働との社会についての彼の判断基準を取ってくるのであ…

われわれの友は、今まであれほど資本らしく高慢だったのに(『資本論 第1巻』ディーツ版207頁)

われわれの友は、今まであれほど資本らしく高慢だったのに(『資本論 第1巻』ディーツ版207頁) 〔前略〕われわれの友は、今まであれほど資本らしく高慢だったのに、にわかに自分自身の労働者だというつつましい態度をとる。自分だって労働したではないか? …

これまでに明らかにしたように、剰余価値は流通から発生することはできないのだから(『資本論 第1巻』ディーツ版179-180頁)

これまでに明らかにしたように、剰余価値は流通から発生することはできないのだから(『資本論 第1巻』ディーツ版179-180頁) これまでに明らかにしたように、剰余価値は流通から発生することはできないのだから、それが形成されるときには、流通そのものの…

それは衣服商人のものである(『資本論 第1巻』ディーツ版164頁)

それは衣服商人のものである(『資本論 第1巻』ディーツ版164頁) (・・・)1クォーターの穀物を3ポンド・スターリングで売り、この 3 ポンドで衣服を買うならば、この3ポンドは私にとっては決定的に支出されている。私はもはやその3ポンドとは何の関係もな…

 商品の流通は、ただ形態的にだけでなく(『資本論 第1巻』ディーツ版133頁)

商品の流通は、ただ形態的にだけでなく(『資本論 第1巻』ディーツ版133頁) 商品の流通は、ただ形態的にだけでなく、実質的に直接的生産物交換とは違っている。事態の経過をほんのちょっと振り返ってみよう。実際のところ、リンネル織職は無条件にリンネル…

飢饉以前には農業日雇い人はわずかながらも土地をもっていて(『資本論 第1巻』ディーツ版734頁)

飢饉以前には農業日雇い人はわずかながらも土地をもっていて(『資本論 第1巻』ディーツ版734頁) 「飢饉以前には農業日雇い人はわずかながらも土地をもっていて、そこにじゃがいもを作ったり豚や家畜を飼ったりしていた。彼らは今日では自分のすべての生活…

以前は、資本は、自分にとって必要と思われた場合には(『資本論 第1巻』ディーツ版599頁)

以前は、資本は、自分にとって必要と思われた場合には(『資本論 第1巻』ディーツ版599頁) 以前は、資本は、自分にとって必要と思われた場合には、自由な労働者にたいする自分の所有権を強制法によって発動させた。たとえば、機械労働者の移住はイギリスで…

賃職人たちの苦痛が人も知るようにあらゆる限度を越えていたリメリクでは(『資本論第1巻』ディーツ版266頁)

賃職人たちの苦痛が人も知るようにあらゆる限度を越えていたリメリクでは(『資本論第1巻』ディーツ版266頁) 賃職人たちの苦痛が人も知るようにあらゆる限度を越えていたリメリクでは、この運動は、製パン親方、ことに製パン兼製粉業者の反対にあって失敗し…

労働者たちは団結しなければならない(『資本論 第1巻』ディーツ版319-320頁)

われわれの労働者は、彼が生産過程にはいったときとは違った様子でそこから出てくることを、認めざるをえないであろう。市場では彼は「労働力」という商品の所持者として他の商品所持者たちに相対していた。つまり、商品所持者にたいする商品所持者としてで…

機械の全発達史は製粉水車の歴史によって追うことができる(資本論第1巻ディーツ版369頁註43)

機械の全発達史は製粉水車の歴史によって追うことができる(資本論第1巻ディーツ版369頁註43) 人の知るように、アイルランドでは最近の20 年間に亜麻工業が大いに発達し、それにつれて、アイルランドのスカッチング・ミル(亜麻を打って皮をはぐ工場)が非…

 「~歳から・・・歳まで」(資本論の第8章)

「~歳から・・・歳まで」は、資本論の第8章にしばしば出てきて、下記の引用からは「8歳から12歳まで」は8歳以上12歳未満を指す、と考えられます。しかしながら、そう言い切ってよいのか、今一つ確信が持てませんでした。つまり、「8歳から12歳まで」が8歳以上1…

穀物法の廃止はイギリスの農業に異常な衝撃を与えた(資本論第1巻、ディーツ版705頁)

穀物法の廃止はイギリスの農業に異常な衝撃を与えた。非常に大規模の排水、人工飼料植物栽培の新方法、機械的な施肥装置の採用、粘土地の新処理法、鉱物性肥料使用の増加、蒸気機関や各種の新作業機などの使用、いっそう集約的な耕作一般がこの時代を特徴づ…

じゃがいも、かぶら、ふだんそう、きゃべつ、乾草については解決。資本論1巻(ディーツ版729頁)の表の計算の続き。

資本論1巻(ディーツ版729頁)の表の計算が合わない、という話をしてきました。本日、じゃがいも、かぶら、ふだんそう、きゃべつ、乾草については解決しました。即ち、じゃがいも、かぶら、ふだんそう、きゃべつ、乾草については、計算が合わなかった原因が…

資本論第1巻(ディーツ版729頁)の表Cの値を検算します。

資本論第1巻(ディーツ版729頁)の表Cの値を検算します。 1864年 小麦 オート麦 作付面積(エーカー)① 276483 1814866 1エーカー当たり収穫量(ハンドレッドウェイト)② 13.3 12.1 総生産物(①×②×4)(クォーター)③ 14708896 87839514 表Cの総生産物(ク…

資本論第1巻(ディーツ版729頁)のアイルランドにおける農業の統計の表Cが、計算が合いません。

資本論第1巻(ディーツ版729頁)の表Cが、計算が合いません。 作付面積(エーカー)×1エーカー当たり生産量が総生産物とズレます。 そこで、作付面積は合っているか(転記ミスがないか)、1エーカー当たり生産量(収穫高)は合っているか(転記ミスがない…

英国の綿花輸入先(1836-1870)

前回の記事の時期、すなわち1840年代から1860年代の英国の繊維製品の輸入先を調べました。 The Cotton Trade of Great Britainから、中村靖志(1978)が引用しているものです。 英国の綿花輸入先(1836-1870)(単位%) 1836-1840平均 1836-1840平均 1836-1…

10時間労働日の時代のイギリス工業の激しい前進が(ディーツ版440頁)

(資本論第1巻ディーツ版MEW23巻440頁)〔前略〕他方では、1848年から現代までの時代すなわち10時間労働日の時代のイギリス工業の激しい前進が、1833年から1847年までの時代すなわち12時間労働日の時代を凌駕していることは、後者が工場制度の開始以来の半世…

連合王国からアメリカ合衆国への繊維製品の輸出は(ディーツ版12巻456-458頁)

(ディーツ版12巻456-458頁)〔前略〕さらに、1858年の第1・四半期全体の報告を3月分の報告とくらべてみると、合衆国向けのイギリスの輸出貿易には、回復の傾向が見いだされる。すなわち、毛織物では、1857年3月と1858年3月とでは、〔輸出額は〕 6万6617ポン…

ほかのいろいろな物にたいする力手段として作用させる(『資本論』第1巻、ディーツ版194頁)

労働手段とは、労働者によって彼と労働対象とのあいだに入れられてこの対象への彼の働きかけの導体として彼のために役だつ物またはいろいろな物の複合体である。労働者はいろいろな物の機械的、物理的、化学的な性質を利用して、それらのものを、彼の目的に…

綿、羊毛、毛糸、亜麻、大麻、絹、黄麻工場(ディーツ版第1巻470頁)

(Ⅰ470)綿、羊毛、毛糸、亜麻、大麻、絹、黄麻工場、および機械靴下編業や機械レース製造業の全従業者(岡崎次郎訳、太字強調はブログ主による) 綿、羊毛、亜麻、大麻、絹、黄麻(こうま・おうま)は素材の名前で、毛糸のみ製品(あるいは半製品)なので、…

本来の商業民族は、エピクロスの神々のように(ディーツ版第1巻93頁)

(I 93)〔前略〕本来の商業民族は、エピクロスの神々のように、またはポーランド社会の気孔のなかのユダヤ人のように、ただ古代社会のあいだの空所に存在するだけである。〔後略〕 今回、すべて岡崎次郎訳です。(Ⅰ93)は第1巻のディーツ版93頁を表します…

農業革命の第一幕は(ディーツ版734-735頁)

(ディーツ版734-735頁)農業革命の第一幕は、作業農地にあった小屋を、最大の規模で、また上から下された合図にでも従うかのように、一掃してしまうことだった。こうして、多くの労働者は村落や都市に避難所を求めるよりほかはなくなった。 そこでは彼らは…