うとうととして

古典を少しずつ読みます。

飢饉以前には農業日雇い人はわずかながらも土地をもっていて(『資本論 第1巻』ディーツ版734頁)

飢饉以前には農業日雇い人はわずかながらも土地をもっていて(『資本論 第1巻』ディーツ版734頁)

 

「飢饉以前には農業日雇い人はわずかながらも土地をもっていて、そこにじゃがいもを作ったり家畜を飼ったりしていた。彼らは今日では自分のすべての生活手段を買わなければならないだけでなく、そしてその結果、彼らは家畜や卵の販売からの収入も失っているのである。」(『アイルランドにおける農業労働者の賃金に関する救貧法監督官報告書』29、1ページ。)(『資本論 第1巻』ディーツ版734頁より。岡崎次郎訳。太字強調はブログ主。)

 

 豚は家畜に包含されるので、豚・家畜と並列されるのは変です。原文にあたると、Geflügel(家禽)とあります。禽(きん)は猛禽類(もうきんるい)の禽です。
 該当箇所のみ岡崎次郎訳を変更すると次のようになります。
「そこにじゃがいもを作ったり家禽を飼ったりしていた。」
「彼らは家禽や卵の販売からの収入も失っているのである。」

 

 

[参考] 『資本論』の中で家禽と家畜が同じパラグラフで出てくる箇所があります。

 

「借地農業者たちは、小屋住み農夫が自分自身のほかになにか生き物を飼うことを禁止しているが、その口実は、もし農夫が家畜家禽を飼えば彼らは穀倉から飼料を盗むにちがいないというのである。借地農業者はまた、小屋住み農夫を貧乏にしておけば彼らを勤勉にしておくことにもなる、とも言っている。しかし、ほんとうの事実は、借地農業者たちはこのようにして共同地にたいする全権利を横領してしまうということである。」 (『荒蕪地囲い込みの諸結果に関する政治的研究』、ロンドン、1785年、75ページ。)(『資本論 第1巻』ディーツ版752頁註203、岡崎次郎訳。太字強調はブログ主。)