うとうととして

古典を少しずつ読みます。

犬賃金(ディーツ版23巻704-705頁。)

 (・・・)次の表は、ブランフォード、ウィンバーン、プールの付近の三か村で支払われた賃金を示している。これらの村はG・バンクス氏とシャフツベリー伯との所有地である。この「低教会派」の法王、このイギリスの敬虔派の頭目が、バンクス氏と同様に、労働者の犬賃金のうちからさらにかなり大きな部分を、家賃という名目で着服していることに〔人は〕気がつくであろう。(・・・)(ディーツ版23巻704-705頁。岡崎次郎訳。亀甲括弧〔 〕内はブログ主。また、太字強調はブログ主。)

 犬賃金Hundelöhe<Hundelohnは、手元の辞書『クラウン独和辞典 第3版』によれば「わずかな給料」とのことです。

 もう一箇所、

「彼は奴隷主たちを破門しているが、ロンドンの御者や乗合馬車の車掌たちを犬なみの賃金で1日にたった16時間労働させるような偉い人たちとは、いっしょに祈りを上げるのだ。」(ディーツ版23巻270頁・註90。『スタンダード』からの引用。岡崎次郎訳。太字強調はブログ主。)

 もとが英文なので英語版を参照します。犬なみの賃金Hundelohnは英語版ではthe wages of a dogとあります。手元の辞書『新クラウン英和辞典第3版』では、直接「犬賃金」「犬なみの賃金」という記載はありません。一方、「a dog’s lifeみじめな生活」「die a dog’s deathみじめな死に方をする」「go to the dogs落ちぶれる」とあります。なので、「the wages of a dog」は、みじめな賃金、という意になりそうです。