2022-01-01から1年間の記事一覧
さきに考察した経済的諸範疇もまた、それらの歴史的な痕跡を帯びている。生産物の商品としての定在のうちには一定の歴史的な諸条件が包み込まれている。商品になるためには、その生産物は、生産者自身の直接的生活手段として生産されてはならない。われわれ…
「労働日」の考察などでおりに触れて示したように、労働者はしばしば自分の個人的消費を生産過程の単なる付随事にすることを強制されている。このような場合には、彼は自分の労働力を働かせておくために自分に生活手段をあてがうのであって、ちょうど、蒸気…
『資本論』第1巻第4章で、「貨幣として支出する」の意味がわかりにくい箇所があります。ディーツ版166頁です。紙屋研究所さんの 「二つの『資本論』の訳本を読んでときどき感じる当惑について」(2022.2.12.)で取り上げられています。この箇所は特に難し…
『資本論』第1巻第4章で、ロッシの説にマルクスは賛成なのか反対なのかわかりにくい箇所があります。ディーツ版187頁です。紙屋研究所さんの 「『資本論』にでてくるabstraction」(2021.12.24.)、「『資本論』にでてくるabstraction(続き)」(2021.12.…
資本論 岡崎次郎訳 を読んでいて。 「商品に転化される人間の血と汗とのこの安さこそは、絶えず販売市場を拡大したし、また毎日拡大しつつあるのである。」(ディーツ版495頁) という印象的な表現の出てくる段落です。 同じ段落の少し前に「大量の労働材料…