うとうととして

古典を少しずつ読みます。

羊製品?

資本論 岡崎次郎訳 を読んでいて。

商品に転化される人間の血と汗とのこの安さこそは、絶えず販売市場を拡大したし、また毎日拡大しつつあるのである。」(ディーツ版495頁)

という印象的な表現の出てくる段落です。

 同じ段落の少し前に「大量の労働材料、原料や羊製品などは大工業から供給され〔後略〕」という叙述があります。「羊製品」は、文脈からは出てきにくいので「羊毛製品」の間違い(「毛」の脱字)かと、始め考えました。

 別の翻訳(新日本出版社、上製版)を参照すると「半製品」とあり、「半」の誤字でした。元のことばはHalbfabrikate(ハルプファブリカート)でした。

 

[参考文献]

鍛治邦雄(1980)、『資本論』第1巻における移民・植民地の記載について、関西大学商学論集 23(3):213-230。